プロレスのこと

 小学生のころからプロレスを見ている。友達の家へ遊びに行った土曜日の夕方にワールドプロレスリングを見て一気に心を掴まれた。確かビッグバン・ベイダーやバッドニュース・アレンが試合をしていて天山、小島が、まだヤングライオンで放送終了残り5分みたいなところで試合のダイジェストが放送されてたころ。全部が終わる17時までみていたいのに当時弟のスイミングの迎えを母親に頼まれたりして残り少しが見れなくてムカついてた。で、そのイライラを弟に当たったりした。スイミング疲れていてその上兄から理不尽な怒りをぶつけられてはた迷惑だったろうな…ゴメン。

 中学生のころ、下校途中に『小橋のムーンサルトが云々』と話している友達に『小林(邦明)だろ』と訂正したら『小橋健太だよ!』と逆に教えられる。それが全日本プロレスを知ったキッカケだった。団体っていう概念がわからなかったからプロレス雑誌とか読んで学んでいった。大きな歴史の源流を辿っていく作業は面白かった。

 そのうちに所謂メジャー団体以外にもたくさんの団体があることを知っていく。当然すべてがTV放送しているわけでないし今みたいにネットの動画サイトなんて充実してないから雑誌ぐらいしかない。裏表紙にプロレスビデオの通販カタログが載ってた。1本1万いくらする高いヤツで子供の自分には、まず手が届かない。それ見ながら試合の内容を勝手に想像したりいつか買える日を想像しながらワクワクしたり都合よく解釈して幻想が高まったり。少年がプロレスファンになったばかりのころの懐かしい思い出。