お祭りのこと

 わけあって地元の祭りにかかわっている。といっても山車の周りを一緒に歩いて警備するだけだけど。

 で、これが本当にめんどくさい。休みの日が一日つぶれてしまうので正直避けたい。子供のころから人ごみがあまり好きではなかったので行ったことは数少なかった。思い入れもさして無い。運悪いことに昨日は雨で濡れながらの業務。勘弁してよと思う。

 山車と一緒に自分の町内を歩いていると、いろいろ発見がある。意外に知らないとこあるんだなぁとか。新しい家が結構増えてて小さな子供もいるんだとか。今は離れた場所に住んでいる地元町内が変化していることに気付く。 

 ふと見ると山車を見学している赤ちゃんを抱いたお母さんの周りに町内の人が集まっていて声をかけている。太鼓の音につられて家から出てきた人たちが挨拶を交わし立ち話をしている。お祭りってコミュニケーションの潤滑油として、人との繋がりを助ける役目もあるのかなと思った。なかなか日常生活で隣近所の人と顔合わせる機会ないもんな。

 ちょっと感化されて子供のころお世話になった地元のおじさんおばさんに挨拶してみる。完全に自分だと気付いていない。どこかの警備員さん、ご苦労様って反応。そりゃそうだ外見すっかりおじさんになったもんな。面影あまりないもの…時の流れを改めて実感しながら赤棒を一生懸命に振った。